杉原邦生
演出家、舞台美術家。KUNIO主宰。
1982年東京生まれ、神奈川県茅ケ崎育ち。
京都造形芸術大学(現・京都芸術大学) 映像・舞台芸術学科、同 大学院 芸術研究科 修士課程修了。学科在籍中より、演出・舞台美術を中心に活動。
2004年、自身が様々な作品を演出する場として、プロデュース公演カンパニー“KUNIO”を立ち上げる。 2008年、伊丹市立演劇ホールAI・HALLとの共同製作事業 “Take a chance project” アーティストに選出され、KUNIO03『椅子』(作:ウージェーヌ・イヨネスコ)、KUNIO05『迷路』(作:フェルナンド・アラバール)など3作品を製作。そのほか、上演時間が約8時間半にも及ぶ大作 KUNIO09『エンジェルス・イン・アメリカ』(作:トニー・ クシュナー)や、大学の恩師でもある太田省吾の名作を鮮烈に蘇らせた KUNIO10『更地』、最古のテキスト“Q1”バージョンを新訳で上演した KUNIO11『ハムレット』(作:ウィリアム・シェイクスピア)、劇団ままごとの柴幸男氏に新作書き下ろしを依頼した KUNIO12『TATAMI』などがある。
歌舞伎演目上演の新たなカタチを模索するカンパニー“木ノ下歌舞伎”には、2006年5月『yotsuya-kaidan』(作:鶴屋南北)の演出をきっかけに、2017年5月まで企画員として所属。これまでに『三番叟』『勧進帳』『東海道四谷怪談—通し上演—』など10作品を演出。2013年に上演した『黒塚』で「CoRich舞台芸術まつり!2013春」グランプリ受賞、『三人吉三』では「2015年読売演劇大賞上半期作品賞」にノミネートされるなど、話題作を発表してきた。海外での上演は2013年『三番叟』にチリ、2016年『黒塚』、2018年『勧進帳』(ジャポニスム2018公式プログラム)でフランス・パリより招聘を受け、いずれも好評を得ている。
その他の外部演出作品に、KAAT神奈川芸術劇場プロデュース『ルーツ』(脚本:松井周)、ロームシアター京都オープニング事業 創生劇場『やわらかなかぐら』(脚本:いしいしんじ)、東京劇術劇場&ホリプロ『池袋ウエストゲートパーク SONG&DANCE』(原作:石田衣良)、歌舞伎座 八月納涼歌舞伎『東海道中膝栗毛』『同 歌舞伎座捕物帖』(構成のみ / 演出:市川猿之助)など。
また、こまばアゴラ劇場が主催する舞台芸術フェスティバル<サミット>ディレクターに2008年より2年間就任、2010年から3年間はKYOTO EXPERIMENTフリンジ企画のコンセプトを務めるなど、持ち前の「お祭好き」精神で活動の幅を広げている。
近年の主な演出作品は、2019年-2020年スーパー歌舞伎Ⅱ『新版 オグリ』、KUNIO15『グリークス』、2020年トライストーン・エンタテイメント『少女仮面』(作:唐十郎)、シアターコクーン 『プレイタイム』、KAAT神奈川芸術劇場プロデュース『オレステスとピュラデス』、2021年新生パルコ劇場オープニング・シリーズ『藪原検校』(作:井上ひさし)、KUNIO10『更地』(作:太田省吾)、さいたまゴールド・シアター最終公演『水の駅』(作:太田省吾)、2022年 COCOON PRODUCTION 2022 / NINAGAWA MEMORIAL『パンドラの鐘』(作:野田秀樹)、ホリプロ『血の婚礼』(原作:フェデリコ・ガルシーア・ロルカ)、2023年 三代猿之助四十八撰の内『新・水滸伝』歌舞伎座、南座など。
2008-2010年度、こまばアゴラ劇場主催 舞台芸術フェスティバル〈サミット〉ディレクター。
2010-2012年度、京都国際舞台芸術祭〈KYOTO EXPERIMENT〉フリンジ部門コンセプター。
2012・2013年度、京都造形芸術大学 舞台芸術学科 非常勤講師。
2014年12月、文化庁新進芸術家海外研修制度〈短期〉研修員としてフランス・パリに滞在。
2013-2014年度、2015-2016年度 セゾン文化財団ジュニアフェロー。2017-2019年度 同シニアフェロー。
2018年(平成29年度)第36回京都府文化賞奨励賞受賞。
2018年度〜、跡見学園女子大学 兼任講師。